岩槻の平屋 Iwatsuki’s one-story house

所在地 :埼玉県さいたま市
用  途:住宅
種  別:新築
構  造:木造平屋
延床面積:113.67m2
構造設計:平木建築構造研究所
施  工:竹内建設

敷地は埼玉県蓮田市、田畑が広がるのどかな市街化調整区域。元は畑だった場所を宅地に転用した余裕のある計画地である。
施主からは、広々とした豊かな敷地を享受できる平屋であること、また軒がある切妻屋根の掛かる日本的な佇まいであることが求められた。

西側隣家からのプライバシーに配慮しながら、畑を残した南面を大きく開口するために、L型プランを採用した。
切妻と片流れが組み合わさる独特な軒のラインを、この建築の個性としてファサードにあらわしている。

玄関を入ると正面のガラスブロックからLDKの気配を伺いながら、天井高さを低く抑えた廊下を抜けると、板張り勾配天井のLDKへと連なる。
南側にLDK+サンルーム、北側に各寝室を設けている。ダイニングルームと主寝室を間仕切るガラス戸は、緩やかに空間を結ぶことで様々な暮らしのシーンを想像した。

L型プランの交点となる採光が届かないダイニングルームには、ハイサイドライトを設け、北側からおだやかな光を取りこんでいる。
リビングルームの先に隣接して大屋根の掛かる軒下空間を設けた。リビングのアウタールームとして、また将来の変化に対応するこの家の「余白」として機能することを期待している。

テキスト:クルー建築設計事務所 川原崎唯史
写  真:マウント 小山俊一

Location:Saitama Function:House Type:Newly build Total area:113.67m2
Structural design: Hiraki Architectural Structure designers
Construction:TAKEUCHI KENSETSU
Photo by mount Shunichi Koyama
Text by Tadashi Kawarasaki


西側外観。切妻と片流れが組み合わさる独特な軒のラインを、この建築の個性としてファサードにあらわしている。


南東側外観。大屋根の掛かる軒下空間はリビングのアウタールーム。


玄関ホール。正面のガラスブロック窓からLDKの気配を伺える。左側はシューズインクローク。


天井を低く抑えた廊下空間。突き当りに飾り棚を設けている。


ダイニングルーム。奥にリビング。右側にキッチン。左側に主寝室。採光が届かないダイニングルームにはハイサイドライトを設け、北側からおだやかな光が板貼りの天井を照らす。


L型のLDK。家の形がそのまま室内空間に反映される。フローリングはウォールナット。天井板は高熱乾燥処理を施したアスペン。


キッチン。背面のカップボードはオリジナルで製作。日本製の青磁のボーダータイルがアクセント。左奥はサンルームへと続く。


サンルーム。室内物干しスペースとして、キッチン、洗面室からアクセスが可能。


ダイニングルームに隣接する主寝室。


主寝室からダイニングルームを望む。