krew architects : クルー建築設計事務所

川越の家

所在地|埼玉県川越市
面積|172.13m2
構造|木造
用途|住宅
種別|新築
構造設計|平木建築構造研究所
施工|ワコーコンストラクション
撮影|マウント 小山俊一
敷地は埼玉県川越市、入間川にほど近い古い農家が残る市街化調整区域にある。施主は、生まれ育ったこの地の風習や元々この地に両親が建てた家の住まい方を踏襲しつつ、自分たちらしい新しい暮らしができる家を希望された。

きれいに南側に向かって開放された敷地形状に抗うことなく、建物は配置した。屋根は同じ敷地内に並んで建つ古民家もそうであるように、この辺りの建物に習ってシンプルな切妻形状としている。
天気の良い日は富士山が一望できる2階西側の大きなテラスは、その上部に大きく屋根をせり出すことによってさまざまな使い勝手に対応できる半屋外空間となっている。

1階の庭に面して設けられたリビング、ダイニング、キッチン、仏間は、大きな窓を開け放つと庭と一体となる。気候の良い季節は、この窓を開け放ち庭でBBQや夏にはプールを楽しむ習慣は、以前ここに建っていた両親が建てた家の住まい方を踏襲している。

以前の家では北側にあった暗いキッチンを改善し、新しい家の中心に設えた。庭に面した大きな窓と料理が得意な奥様のキッチンは、計画当初から変わらずこの家を特徴づける重要なアイテムである。

仏間には、以前の家で使われていた襖、雪見障子、欄間、床柱、落とし掛けなど、両親が建てた家を解体する前に取り外し、加工を施し再利用している。これも施主の大事な要望の一つである。

キッチンの裏側に隠れた階段を上がると、2階は主寝室と2つの子供部屋が南側に向かって並ぶシンプルな間取りになっている。北側には家族で使える大きなウォークインクローゼットが設けられている。

亡くなられた両親がこの地に建てた家の機能や要素を一度解体し、改めて踏襲するか改善するか検討して新築したこの家に住み始めた施主からは、「まったく新しい家なのに住んでいた自分の家に帰ってきたという感覚が感じられる」と言っていただいたことは幸いである。


テキスト:クルー  川原崎唯史

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