| 企画・運営| | すまいポート21『設計コンペで建てる家』 |
|---|
| 設備設計| | 音響設計:アコースティックエンジニアリング |
|---|
| Location: | Kawaguchi,Saitama |
|---|
| Planning and operation: | Sumaiport 21 |
|---|
| Design: | Krew architects/Tadashi kawarasaki |
|---|
| Structural Design: | Hiraki Architectural Structure designers/Hirofumi Hiraki |
|---|
| Facility Design: | Acoustic design: Acoustic Engineering |
|---|
| Construction: | Takeuchi kensetsu Inc |
|---|
| Photo: | Krew architects/Tadashi Kawarasaki |
|---|
町の工場のような、音楽のための住宅
埼玉県川口市に計画された、音楽を愛する施主のための住宅である。
この家の中心は、1階に設けたリビングルーム。
それはソファに座ってテレビを見るための空間ではなく、「楽器を演奏し、友人たちと音楽を囲んで過ごす部屋」として構想された。
敷地は住宅街の一角、6本の道路が交差する変形角地。
建物はその敷地形状に呼応し、五角形の平面としている。
道路に面する外壁には、防音性能確保のため最小限の開口のみを設けた。
さらに、雨樋や換気口などの設備機器は周囲から見えにくい南面に集約。外観はニュートラルなグレーで統一している。
あえて住宅らしさを抑えたその佇まいは、さながら「町の工場」のようである。
1階リビングルームには、厳格な遮音性能と同時に、豊かな響きを持つ音響空間が求められた。
音響エンジニアによる設計のもと、現場での遮音測定を実施しながら施工を進め、十分な性能を確保。
時間を気にすることなく演奏できる環境を実現している。
防音室は人工照明に頼るケースが一般的である。
しかし本計画では、あくまで「リビングルーム」であることを重視し、自然採光を絶対条件とした。
2階ダイニングキッチンの窓から取り込んだ光を、吹き抜けを介して1階へ導く構成とした。
さらに、北側に設けたテラスの白い壁面に光を反射させ、その間接光も吹き抜けからリビングへと届けている。
閉じた外観とは対照的に、内部には柔らかな自然光が満ちる。
こうして完成したのは、
「時間を気にせず、音楽を楽しめるリビングルーム」を中心に据えた住宅。
工場のような外観の奥に、光と響きに包まれた空間が広がる。
それは、防音室ではなく、音楽のための“日常の居場所”である。