| 施工| | ワコーコンストラクション 和田一宏,和田育巳 |
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| Location: | Okubo Shinjyuku-ku Tokyo |
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| Structure: | Reinforced Concrete |
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| Design: | Krew architects/Tadashi Kawarasaki |
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| Structural Design: | MIST/Shin Imai |
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| Construction: | Wako construction/Kazuhiro Wada,Ikumi Wada |
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| Photo: | Mount/Shunichi Koyama |
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混沌を取り込む、東京の住まい
東京都新宿区、
大久保通りの喧騒から一歩入った住宅街に計画された、訪日外国人旅行客を迎える民泊対応型共同住宅である。
大久保は、ある種の「東京らしさ」が濃縮された街である。遠景には副都心の高層ビル群。近景には隣家の外壁や屋根、細い道路、年季の入った万年塀。看板や電線、生活の痕跡が幾層にも重なり合う。
整えられた都市ではなく、雑多で混沌とした風景。そのリアリティこそが、この街の魅力である。
本計画では、建物周囲の状況をあえて遮断せず、積極的に内部へ取り込むことを選択した。各住戸には大きな引き違い窓を設け、街の風景や気配がそのまま室内に流れ込む構成としている。
都市の断片が、インテリアの一部となる。
客室はベッドを置けばいっぱいになるほどコンパクトである。しかしそれは、均質なホテル空間とは異なる体験を生む。窓の向こうに広がる隣家の外壁や屋根、路地の気配。生活音や光の移ろい。旅行者が「東京に泊まる」のではなく、「東京で暮らす」感覚を味わうための空間である。観光地化された東京ではなく、混沌とした日常の東京。そのリアルな風景を包み隠さず提示することが、この共同住宅の設計意図である。